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  1. 2024年7月17日 · 2023年度JLSファムトリップの8コース. ファムトリップ事例1:金沢・福井コース「禅・哲学・匠の本質を知る旅」 このコースでは、金沢にある加賀友禅の工房や越前和紙、打刃物の工房などを見学し、参加者は職人の技術の神髄に間近で触れることができ、感動している様子が印象的でした。 引き継がれてきた文化や技術について職人から直接説明してもらう体験が、「高付加価値旅行層の知的好奇心を満たすことにつながる」と、参加者の高い満足度につながったようです。

    • 「日本の農村×観光」は、大きなポテンシャルを秘めている
    • 価格競争ではなく、企画とサービスで付加価値を高める
    • 地域のブランド力を高め、海外のfit客を呼び込む
    • グリーンツーリズム事業における最大の顧客は「地元の農家」

    ―はじめに、大田原ツーリズムが「グリーンツーリズム」に取り組み始めたきっかけについて教えてください。

    根底にあったのは、「農村地域を活性化したい」という思いです。美しい自然と、そこに暮らす人々の豊かな営み……。日本の農村が持つ可能性については、2012年に大田原ツーリズムを設立する以前から想いがありました。国内・海外を問わず、ファミリー層の旅行者にとって、子どもに自然体験、農業体験をさせたいというニーズは間違いなくあるのです。 ただ、そのためにはまず旅行者を受け入れるための体制をつくり、市場を開拓する必要がありました。体制づくりに関しては、農家の方々を1軒1軒訪ねて回り、農家民泊に協力してくれるようお願いしました。地元の人たちにとっては何もない田舎かもしれないが、都会の人にとっては自然の宝庫だということ、農作業を手伝うことも、貴重な経験として喜んでもらえるのだということを説明して回ったのです。最初は「こんな何もないところにお客さんがくるわけがない」「見ず知らずの他人を家に泊めるなんてとんでもない」と言っていた農家の方々を何度も訪ね、地道に説得した結果、賛同してくれる農家の方々が少しずつ増えていきました。 市場の開拓については、農村を観光地として活用している全国の事例を徹底的に調べ...

    ―設立から10年を経て、大田原ツーリズムは地域にどんな変化をもたらし、ベネフィットを提供できているでしょうか。現時点での評価をお聞かせください。

    現在では180軒の農家の方々が農家民宿に協力してくれています。これは農泊がきちんとなんらかの利益や価値につながる仕組みをつくることができた、そして、人間関係ができたからだと自負しています。 ただ、農家の方々にとっては、お金以上に、教育旅行で訪れた子供たちや海外の人たちとの交流が何よりのベネフィットとなって方々も多いです。それまで海外旅行に縁のなかった人たちが、子供たちと再会するためにフィリピンや台湾を訪れたり、SNSで交流するためにスマートフォンに買い替えたりなどの変化も起こっています。今では、農泊を受け入れた家の孫世代が海外留学をする例も増えてきています。幼い頃から自宅に外国人を招き入れて交流した体験が、国際感覚を育んだ結果だと思います。農泊が地域の人たちの“やりがい”や“生きがい”を生み出していると感じられることがうれしいですね。

    ―大田原ツーリズムでは、地域の自然や歴史、文化を活かした多彩な体験型プログラムが用意されています。こうしたプログラムがどのようにつくられているか教えてください。

    プログラム数は現在120を超えています。最初の3ヶ月は地域でできることをとりまとめ、そこからはずっと地域にどんなシーズ、地域でやりたいと思うことだけでなく地域の課題も、何があるのかを発掘し、どんな内容のプログラムが実施できるか、農家の方々と対話することから始めています。 私たちが「お客様からこんな要望が出ているんだけど、できますか?」と相談を持ちかけると、農家の方々から「ここをこんなふうに工夫すればできるよ」と答えが返ってくる。そんな立ち話のような中から受け入れ方法を決めることが多々あります。あとは現場で実践しながら、課題があれば修正してブラッシュアップしていきます。 今ではみなさんも慣れたもので、お客様のニーズに合わせて臨機応変に対応していただけるようになりました。例えば、いちご狩りは冬場の人気プログラムですが、小学生の教育旅行なら、収穫作業を体験しながら採れたてのいちごを味わうという食育体験プログラムになります。一方、企業の研修旅行で、第一次産業をしっかり学びたいという要望があれば、苗づくりから収穫までのプロセスを理解してもらったうえで本格的な農作業を体験してもらうプログラム...

    ―体験プログラムの価格設定にあたって留意していることを教えてください。

    価格設定ですね。安すぎず、高すぎず。ただ、大手旅行業の価値をそのまま当てはめるのは良くないです。地域づくりを行っておりますから、それだけの労力がかかります。大手旅行会社の手配をするだけで10%ならば、営業以外地域の調整に倍以上の時間がかかるので、それなりの利益率を持たせる必要があります。原価率の高い商品もあれば低い商品もありますが、複数の商品をセットにすることで、トータルとして粗利30%をクリアできるようにしています。受け入れをしてくださった方々の費用は絶対に下げずに、いかに相手側に支払っていただくかが重要で、通常、旅行業者の手数料率は5~10%が相場ですから、かなり高いと言えるでしょう。でも、業務量からすれば当然の内容ではあります。 事業計画書を作成する段階で、小規模のDMOの運営を継続していくためには“粗利3,000万円”が必要だということはわかっていました。仮に3億円の売上があれば粗利10%でも事業として成り立ちますが、ハードを持たずにソフトだけで稼ぐDMOが年間3億円の売上を上げるのは至難の業です。1億円の売上で3,000万円を稼げる粗利率が30%というわけです。 DMO...

    ―具体的にどのように付加価値を高めてらっしゃるのでしょうか。

    付加価値を高める努力は、目に見える点ばかりではありません。例えば私たちの農家民泊に協力してくれている農家は、すべて“簡易宿所”としての営業許可を取得しています。取得にあたっては、保健所による水質検査や消防署による防火安全対策の検査などが必要となるのですが、リスクマネジメントの観点からは不可欠です。 また、私たち自身も宿泊スペースのチェックを行うことでサービスの質を担保しているほか、農家の方々向けに講習会を開催し、運用上の注意点について細かく説明しています。講習会の開催は、農家の方々同士の“ヨコのつながり”をつくることにもつながります。定期的に顔を合わせることで仲よくなって、おしゃべりの中で「こんなことをしてあげたら子供たちが喜んでくれた」などの情報交換も生まれます。こうした交流がモチベーションアップにつながるのです。 さらに、顧客向けの心配りも欠かせません。来ている方々へ、すこしでも良い思い出作りをするための手法を実践するのです。

    ―コロナ渦を経て、大田原への来訪者数にはどのような変化があったでしょうか。また、その間に、ポストコロナに向けて取り組んでいた事柄があればご紹介ください。

    大田原ではこれまで、教育旅行を目的とした農家民泊がメインでした。内訳は、約6割が国内の子供向け個人ツアー、2割が国内の学校・団体ツアー、残り2割が台湾などアジア各地の学校のツアーです。2019年時点で年間の観光交流人口は約9,000人、宿泊数は約6,000泊でしたが、コロナ禍で2020年には1割程度まで落ち込みました。今年は約5割程度まで回復し、海外からの長期滞在の予約も少しずつですが入り始めています。 2021年からは、地域のブランディングを目的として“光のイベント”という催しを始めました。これは、提灯や和傘を活用して500mほどの通りをライトアップし、参加者がスカイランタンを打ち上げるイベントなのですが、一夜に4,000人以上の方が集まりました。さらに、有形文化財の建物をリノベーションしたホテル“飯塚邸”を活用して、ワーケーション利用者を増やす取組も行っています。

    ―現在、プロモーション活動はどのように行っているのですか?

    現在は、FIT(海外個人旅行)をターゲットとしたプロモーションに注力しています。具体的には、海外のインスタグラマーやユーチューバーに向けて情報提供を行い、密な関係性を維持するということですね。先ほどお話しした光のイベントの開催や飯塚邸のオープン時にはファムトリップに招待して、現地向けの情報発信をしてもらっています。先日は、こうしたインフルエンサーたちの交流を通して、英語ライフスタイルマガジンから取材依頼を受け、特集記事で大田原を紹介していただきました。 観光プロモーションというと、お金をかけてポスターやパンフレットを作ってという昔ながらの方法がイメージされますが、密な人間関係を構築して“大田原のファン”を増やすことで、お金をかけなくても効果的なプロモーションはできると考えています。このように、ネットワークや機動力を活かしたプロモーションこそ、DMOの特質と言えるのではないでしょうか。

    ―今後に向けて、現在検討中の新規プログラムやプロジェクトがありましたら教えてください。

    今年度、新たに取り組む事業は2つあります。ひとつは“日本版アグリツーリズムの本格スタート”です。これは、農家自身が投資し、空き家、蔵をリノベーションしてFITが長期滞在できる宿泊施設をつくるもので、現在、数件の農家さんが2023年春のオープンを目指して準備中です。 欧州では農村にある宿泊施設に1週間~1か月間滞在し、そこを拠点に周辺の観光名所を巡る“アグリツーリズム”が浸透しています。大田原も、車で1時間ほど走れば日光があり、那須にも近い。観光資源が豊富なエリアです。主に欧州のFITをターゲットに、“日本版アグリツーリズム”を浸透させていきたいと思っています。 もうひとつは“関係人口の創出”です。地方の課題解決ビジネスを始めたいという人や、アグリツーリズム事業に参加したい人、大田原のファンとして年に何度か訪れながら情報発信してくれる人など、多様なスタイルで大田原に関わってくれる人を増やしていきたいですね。

    ―グリーンツーリズムに取り組みたいと考えている全国の自治体、DMO関係者に向けて、アドバイスをお願いします。

    ひとつは“誰が顧客なのか?”を見誤らないことです。残念ながら多くの地方自治体やDMOの方々が、この点を理解していないように感じます。グリーンツーリズム事業にとって最大の顧客は、地元の農家の方々です。受け入れ先となる農家の方々が、いかに高いモチベーションでお客様をお迎えしてくれるか……。このことが、お客様の体験価値を高め、「また来たい」と感じさせてくれるのです。 もうひとつは“農家の方々と現場でいかに親密な関係をつくるか”です。農家向けの講習会や懇親会などを通じた交流はもちろん、日頃から現場を訪ねて、互いに心の通った、顔の見える関係をつくることがとても大切です。 日本のグリーンツーリズムは、大きなポテンシャルを秘めています。豊かな田園地帯を、世界から人を呼べる観光地に変えるべく、ともに頑張っていきたいと思っています。 株式会社大田原ツーリズム 代表取締役社長 藤井大介 重点支援DMO。2009年に(株)ファーム・アンド・ファーム・カンパニーを設立し、経営コンサル事業、「下野農園」惣菜事業・飲食事業等を経営。2012年に、大田原市と合弁で設立した大田原ツーリズムの本職にも就任。2年連...

  2. 2022年1月5日 · 奈良県最古の醤油蔵を再興する際に農泊の視点を入れ、2020年8月に誕生したのが“泊まれる醤油蔵”と謳った「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」です。 この起ち上げには、醤油蔵の再興だけでなく、地域全体における協力体制の構築や魅力の再発見など、多くの取り組みが行われました。 こちらの記事では、醤油蔵再興への経緯や地域における具体的な施策などについて、農泊事業を推進する田原本町川東地域資源活用協議会の会長であり、マルト醤油の18代目当主でもある木村浩幸氏にお話を伺いました。 公式サイト. https://maruto-shoyu.co.jp/ 目次.

  3. 2022年3月11日 · 公式サイト. https://town.biei.hokkaido.jp/ 目次. 美瑛の観光資源である「農家の営み」を守るための看板 「立入禁止」ではなく、「共感」の仕組みをつくる 地域の当たり前は、観光客の当たり前ではない. ―観光の視点から、美瑛町の特徴・魅力について、あらためて教えてください。 「美瑛町は『丘陵地帯に広がるパッチワークのような農村風景』と『青い池』が特徴的です。 どちらも写真映え、SNS映えするところが魅力のひとつになっていると思います。 特に、十勝岳の雄大な自然と人の営みが織り成す美しい丘の農業景観は美瑛ならではの観光資源で、北海道でも代表的な観光地となっています。 観光客はコロナ前までは増加し続け、2019年には240万人以上の方が美瑛町へ訪れました。

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  4. 香港市場マーケティング方針. 香港市場における訪日マーケティング戦略を公開しています。 皆様のインバウンドにおけるお取り組みにご活用ください。 香港事務所の基礎情報や担当地域、業務内容などについてご紹介しています。 訪日インバウンド市場別情報. 東アジア. 韓国市場 中国市場 台湾市場 香港市場. 東南アジア・南アジア. タイ市場 シンガポール市場 マレーシア市場 インドネシア市場 フィリピン市場 ベトナム市場 インド市場. オセアニア. 豪州市場. 北米. 米国市場 カナダ市場 メキシコ市場. 欧州. 英国市場 フランス市場 ドイツ市場 イタリア市場 スペイン市場 北欧地域市場 ロシア市場. 中東.

  5. 各国・地域別 日本人訪問者数〔日本から各国・地域への到着者数〕. ⽇本⼈旅⾏者の国別訪問者数については、各国の受⼊国統計やUNWTOの統計から情報⼊⼿可能な範囲で転記しJNTOでまとめています。. 各国が公表した⽇本⼈来訪者数(受⼊国統計)に基づく ...

  6. 【開催概要】 【前回フェアの資料配布の様子 】 イベント名:第16 回FIT フェア(Visit Japan FIT Fair#16) 開催日時:2024 年11 月8 日(金)~11 月10日(日) 3日間. 開催場所:タイ・バンコク サイアム・パラゴン 5 階(BTS サイアム駅直結、高所得者層も多いバンコク中心地の ショッピングセンター催事場で開催します。) 対 象: バンコク首都圏の一般消費者(B to C) 過去実績: 第15 回FITフェア来場者 約48,835 人(3 日間合計) <募集要項・留意事項> 会場内のVJブース等にて配布する資料の募集を行います。 Tフェアにおいてタイ人の一般来場者向けに配布するタイ語または英語の紙のパンフレット・地図・チラシです。パンフ .